2025-03

手弱男と作法(宮田涼介)

手弱男(たおやお)と作法 vol.28 – 宮田涼介

——何が「Z大学卒業ってことで期待されてたんだけどな」だ。お前らが勝手に期待して勝手に失望しただけだ。「安原よ、ここのところますます痩せているように見えるが、飯は食べているのか? 睡眠は取っているのか?」翌朝早々、部長から直々に会議室に呼び...
手弱男と作法(宮田涼介)

手弱男(たおやお)と作法 vol.27 – 宮田涼介

——僕は、自分らしく干されるほうが良いと思うね「涼太、ちょっと痩せ過ぎじゃない? 僕が作ったご飯も最近全然食べてないし。普段何食べてるの?」同居人もあたしの体型が気になっているようだった。確かに同居人はあたしに手料理を拵えてくれる。毎度のこ...
手弱男と作法(宮田涼介)

手弱男(たおやお)と作法 vol.26 – 宮田涼介

——この化粧は武装だ。仮面だ。あたしにとって鐙を身に纏うがための、この社会に身を投じるための通過儀礼だ。「安原さ、明日から化粧して出社するのをやめてもらえないか」数日後に課長代理の平林に呼び出されたあたしは、何を指南されるのかと思いきや、あ...
手弱男と作法(宮田涼介)

手弱男(たおやお)と作法 vol.25 – 宮田涼介

——どんな男も射精には叶わない、射精を前にしては無力だということを。 二人目の客の、立ち小便の要求など可愛いもので、屋外で交わった回数なんか数知れなかった。あたしはラブホテルのベッドの上、ひいては路上で排便もした。客の男がベッドを指差して「...