手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.24 – 宮田涼介 ——こいつは男の頂点、あたしは男の底辺。あたしみたいな底辺に、お前みたいな頂点の男がぱっくりと口を開けて、狐のように薄い目をして、その腰を小刻みに激しく痙攣させ、歓喜の声を伴って熱い液を垂らす。「あなた、この間の客とアレしたの?」この辺りの... 2025.02.28 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.23 – 宮田涼介 俺は絶対に、新たなる自分に転生するのだ。確かなる高揚感。やり場なき焦燥、不安に駆られる生活に終止符を打つべく、俺は夜の蝶になる。新しい自分を手に入れる。念の為だが、元来俺は男色家ではない。女性になりたい男でもない。俺は異性愛者であり性自認も... 2025.02.20 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.22 – 宮田涼介 俺が初めて性風俗に踏み込んだ時のことを話そう。忘れもしない二〇二一年の五月のことだ。職場でこっぴどく叱責を喰らわされ、失意の淵に堕ちた俺は、その足で桜木町駅の向こう側へ足を運ぼうと思った。俺がやるべき復讐について考える中で、あの戦地を思いつ... 2025.02.15 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.21 – 宮田涼介 結局、二〇一八年一月、鬱病及び発達障害と診断された俺は休職を余儀なくされた。もう心身の疲弊が限界に達していたのだと思う。後に聞いた話によると、俺は経理課のデスクで突然奇声を発して倒れたらしかった。俺はそんなこと微塵も記憶していないし、直属の... 2025.02.14 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.20 – 宮田涼介 現在、俺は横浜重工業の経理部経理課に務める会社員だ。神奈川県逗子市桜山に居住し、最寄りの逗子・葉山駅から横浜駅まで、横浜駅から京浜東北線で隣の桜木町駅までただ移動する。横浜重工業に出社し、デスクに着くや否や、ありったけの書類、ファイルボック... 2025.02.10 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.19 – 宮田涼介 大学二年の六月、大学で民法の講義を受けていた時、親父から着信があった。こんな真っ昼間に親父の着信とは珍しいと思ったものの、この頃すでに俺は親父に心を閉ざしていたので無視した。しかし、ひっきりなしに何回も着信があるものだから、うんざりしながら... 2025.02.06 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.18 – 宮田涼介 後日、担任及び生活指導の教員から、奴らに対して直々に譴責(けんせき)があったという。譴責とは、Z高校も随分と甘い処分を下したものだ。除籍にでもして中卒にすればよかったところを、たかが譴責処分とは。百歩譲って停学くらいにしてやってもよかったの... 2025.02.04 手弱男と作法(宮田涼介)
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.17 – 宮田涼介 さて、長く苦しい受験勉強の末、俺はZ高校に進学した。X学院にも合格し、そちらの方が家から近かったが、俺はZ高校を選んだ。世間的なブランド力はZ高校と、附属の進学先であるZ大学の方が高いと判断したからだ。そんな中、親友のあいつもZ高校に進学す... 2025.02.02 手弱男と作法(宮田涼介)