手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.22 – 宮田涼介
俺が初めて性風俗に踏み込んだ時のことを話そう。忘れもしない二〇二一年の五月のことだ。職場でこっぴどく叱責を喰らわされ、失意の淵に堕ちた俺は、その足で桜木町駅の向こう側へ足を運ぼうと思った。俺がやるべき復讐について考える中で、あの戦地を思いつ...
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.15 – 宮田涼介
二〇二四年二月一八日 神奈川県逗子市桜山八丁目にて 安原涼太 記 まず初めに断っておくが、恐らく俺は近いうちに殺される。相手は多分、通りすがりの中年親父だ。しかし今更、怯えて生命保険に入るようなことはしない。受取人も居ないのに生命保険など入...
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.11 – 宮田涼介
Z高校を卒業した私と安原は共に、Z大学法学部法律学科へ進学した。いつまでこの腐れ縁が続くのかと思ったものの、クラスがかけ離れていた為、涼太の大学生活は風の噂程度にしか聞いていない。Z高校在学時から司法試験に受かって弁護士になると意気込んでい...
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.2 – 宮田涼介
「御免ください、安原涼太の父ですが、息子の遺品整理に参りました」師走の昼下がり、挨拶も程々に如何にもバツの悪そうな面持ちでずかずかと私の家に上がり込むのは涼太の父親だ。事件から九ヶ月もの月日が過ぎ、今更になって練馬からはるばる逗子までやって...
手弱男と作法(宮田涼介) 手弱男(たおやお)と作法 vol.1 – 宮田涼介
「ねぇ、あたしと遊びません?」「ねぇ、お時間ありません?」「挿れてくれるなら一万五千、お口だけなら五千円よ」「そこの安いホテルで良いわよ」逗子海岸の穏やかな波音。頬を掠める潮風に乗って、我が親友の魂の彷徨いが聞こえた。聞こえた気がした。黄昏...