2024-09

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.018

第三章 なにがしか大きなもの作:NYO 「むずかしいお話、終わった?」 アケミが天幕に首を突っ込んで、こちらの様子をうかがっていた。 あー、そうだ。俺には彼女がいた。愛人付きの金満生活より、売れない文士時代の貧乏生活のほうが良かったってのか...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.017

第三章 なにがしか大きなもの作:NYO 「では、何のためにオースギを殺したのか?犯人の目的は何でしょう?」 教師が生徒を導くように、ロレンスが問いかける。 「やつの裏切りを証明し、見せしめとして晒すためだ。それしかないだろう」 まあ、ハッキ...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.016

第三章 なにがしか大きなもの作:NYO ロレンスがこちらにパソコンのディスプレイを向ける。二月蜂起からこちら、実施された作戦ごと、部隊ごとの兵の死傷者数が整然とエクセルシートに並んでいる。 「ここを見てください」と、ロレンスがある作戦のセル...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.015

第三章 なにがしか大きなもの作:NYO そして、アケミは俺の私設秘書の立場に収まった。実にベタな展開だ。彼女は秘書らしい仕事など少しもしない。誰もが俺の愛人だということを認知していたし、彼女もそれを隠そうとしなかった。上司の愛人なんて同僚に...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.014

第三章 なにがしか大きなもの作:NYO その晩は、ロレンスが俺の天幕を訪れた。 今後の相談とのことだったが、アケミとコトに及ぼうとしていたまさにその時だったので、取り繕うのに少しパニックになった。二人とも無理して平静を装ったが、観察眼の鋭い...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.013

第2章 総帥の栄光と不安作:NYO はぁ、それにしても性急だ。革命政府についてはいずれ樹立を目指すつもりだったが、しばらく熟考のうえで進めたかった。 さて、どうする?後戻りはできなくなった。 2035年現在、統一政府が崩壊した中国大陸には大...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.012

第2章 総帥の栄光と不安作:NYO 翌朝、兵士たちの歓声で俺は目覚めた。 なんだ・・・何事だ・・・! 軍服を着て天幕の外に飛び出すと、マオさんが満面の笑みで近づいてくる。 「やあ、おめでとう、駒潟同志」 おめでとう?どういうことだ。 怪訝な...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.011

第2章 総帥の栄光と不安作:NYO はぁ・・・。 ため息とともに、俺は寝床にダイブした。 それじゃリラックスできないでしょ・・・と、アケミが軍服を脱がしにかかる。 党中央委員会が終了し、自分の天幕にたどり着いた頃にはすでに日付が変わっていた...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.010

第2章 総帥の栄光と不安作:NYO 結局、臨時委員会は深夜にまで及び、親衛隊の指揮権はロレンスが、新山下軍管区は和尚が引き継ぐことに決した。和尚の担当していた鶴見軍管区の港湾地区以外は、扇島軍管区と合わせてマオさんが引き受けることとなった。...
団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ

団塊ノ絶滅、氷河期ノオワリ Episode.009

第2章 総帥の栄光と不安作:NYO ・・・と、これが俺の語り得る革命の現状だ。 つまり、二月蜂起が上手くいったのは俺が老人と手を組み、その指示に従っていたからで、和尚の立てた計画なんぞが本当に図に当たっていたかは疑わしい。それを、すべて自分...